貧血といっても原因はいろいろありますよ

血液内科について

血液内科”をご存知ですか?

“血液内科”って何をしているの?と思われる方も多いかもしれません。

血液内科では、皆さんの血管の中に流れている血液中の細胞の異常を扱っています。

血液中の細胞とは、主に白血球、赤血球、血小板の3種類です。健康診断や定期的な血液検査で、必ず測定される項目ですので、この3種類のどれかに異常があれば血液内科の出番です。その他にも、リンパ節が腫れてきた場合も血液内科の病気の可能性があります。

貧血について

血液の異常で一番多いのは貧血です。今回は、貧血についてお話します。

貧血とは血液中の赤血球の中にある、酸素を運ぶ役割のヘモグロビンの濃度が低くなった状態を指します。そして、その原因となる病気はとても多くあります。

*貧血の症状

まず貧血の症状についてお話しますが、貧血の程度(ヘモグロビンの値)と症状は並行しないことが少なくないので注意が必要です。長い時間かけて貧血がゆっくり進行していると自覚症状は感じにくいことがあります。

それでは、ご自身の症状と照らし合わせてみましょう。

①疲れやすい

少し動いただけですぐ疲れが出てしまうという症状は、貧血で体の酸素が不足するとよく表れます。筋肉が酸欠状態になると代謝が悪くなり、だるさや肩こりなどの原因となります。

②息が切れる

血液中の酸素量が低下しているため、より多くの酸素を全身に巡らせようと体が無理をしてエネルギーを使うため、呼吸が速くなり息切れ、動悸を感じることがあります。

③めまい、たちくらみ

貧血により脳が酸素不足になって起こるめまいは、足元が安定せず浮遊感のような症状を伴うのが特徴です。

④顔色が悪い

元々、頬の赤みはヘモグロビンの色素から来ているので、貧血になると顔が青白くなります。鉄不足によって新陳代謝が鈍くなり、肌の潤いも失われます。

⑤眠れない

太ももやふくらはぎ、足の裏にまるで虫がはっているような不快感のある「むずむず脚症候群」も鉄欠乏性貧血が原因の場合もあります。

⑥爪が弱くなった

爪が弱ったり、薄く割れやすくなったりします。爪の先がそり返る「スプーンネイル」にもなりやすいといわれています。

⑦氷を大量に食べてしまう

鉄不足の人に見られる症状として、氷をガリガリむさぼるように食べる「氷食症」があります。

*貧血の原因

次に貧血の原因についてお話します。貧血の原因は大きくわけて4つのタイプの分けることができます。

①材料不足

1番目は正常な赤血球を作るために必要な材料が不足している状態です。その材料とは、鉄、ビタミンB12,葉酸などです。

鉄が不足すると鉄欠乏性貧血となります。鉄欠乏性貧血は日本では頻度の高い貧血で、月経のある成人女性の約15%が発症しているといわれています。また妊娠中期以降は普段の約2.4倍の鉄分の摂取が必要です。成長期には筋肉の発達に伴い鉄の需要が増加するため、男女問わず鉄分を多く摂取する必要があります。特にスポーツをするお子さんでは汗や尿中への鉄の喪失、筋肉トレーニングによる筋肉の著しい発達により貧血になりやすい傾向があります。また、胃を切除した方に多く起こる悪性貧血という貧血は、ビタミンB12や葉酸の不足が原因です。

②造血障害

血液の細胞は、骨髄という骨の中心で造血幹細胞から作られていますが、その造血幹細胞の障害により正常な血液細胞が作られず、貧血となります。この場合、正常な白血球や血小板も減少します。白血病や再生不良性貧血などの病気があてはまります。

③赤血球破壊亢進

溶血性貧血といって、赤血球が体内で破壊されるために貧血となる病気があります。この場合、肝機能の異常や黄疸が出ることがあります。

④出血

最後に出血です。もちろん、けがや手術時の出血で貧血となりますが、女性の月経や、

胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんや大腸癌などの消化管からの慢性出血によっても貧血となります。男性の鉄欠乏性貧血には注意が必要です。

貧血といっても原因はたくさんあり、貧血がきっかけで大きな病気が見つかることもあります。定期的な血液検査を受けていただき、貧血は放置せずに適切な診断と治療を受けていただきたいと思います。特に女性の方の鉄欠乏は改善すると、これまで我慢や放置していた体調不良の解消を実感される方が多いですよ。