胃カメラ
導入内視鏡システム
導入内視鏡システム
富士フィルム LASEREO6000
胃カメラ検査とは
胃カメラ検査は、先端に超小型カメラが付いた細いスコープを口や鼻から挿入して、食道・胃・十二指腸の粘膜の状態を明るい光で照らし直接観察します。また、特殊な光で血管や炎症を強調表示したり、拡大したりして確認することが可能になっています。炎症・潰瘍・ポリープ・癌などの微細な病変を発見できます。また、胃癌の原因であるピロリ菌感染の確認や確定診断のための組織採取も可能です。特に早期がんを発見するためには胃カメラ検査は不可欠です。当院では、高度医療機関や人間ドックにて多数の内視鏡検査や治療に携わってきた医師が、そのスキルを最大限生かせる最新の富士フィルム社製内視鏡システムを使って検査しています。スコープは細くしなやかでデリケートな動きが可能なため、身体にかかる負担も少なくなっています。
二宮医院の胃カメラ検査の特長
特長1. 極細スコープで思いやりの鼻から胃カメラ
これまで朝日大学病院、山内ホスピタル、犬山中央病院の人間ドックの胃カメラ検査を担当してきました。人間ドックは、比較的若くて健康な方が検査を受けられ、鎮静剤を使用しないことが多いため、いかに楽に検査を受けていただけるかを考え内視鏡検査を行ってきました。そのため、毎年検査を受けられている方や、スタッフにも好評を得ることができています。二宮医院では、『思ったより楽だった。』『来年もここでカメラを受けたい。』と言っていただけるように、スタッフ一同、細心のやさしさで検査を行います。
極細スコープが登場して、鼻から挿入する経鼻胃カメラ検査が可能になっています。鼻からの胃カメラ検査は、強い嘔吐感が反射的に起こる舌の奥にスコープが直接当たることがないため、苦しさのない検査が可能になっています。鼻炎による炎症などで極端に鼻腔が狭い方には経口検査をお勧めすることもありますが、ほとんどの方が楽に経鼻検査を受けられます。当院では鼻からの検査か、口からの検査かをお選びいただいています。口からの検査の場合にも、カメラは細いため、楽に検査を受けていただくことができます。また、鎮静剤を用いてウトウトしている間に検査を受けていただくことも可能です。さらに、当院では胃を拡張するために空気の代わりに腸から体内へ速やかに吸収される、炭酸ガスを使用しておりますので、検査後に腹部の不快感が長く続くことはありません。
鼻から胃カメラの特長
*経鼻内視鏡検査は、口からの胃カメラに比べ、鼻出血のリスクがあり、検査時間が少し長くなります。鼻腔が狭い方(女性や鼻炎時)は、鼻からのカメラが挿入困難であり、口からの内視鏡に変更になることがあります。
特長2. 富士フィルム社製の最新内視鏡システムを導入
微細な病変も観察することが可能な次世代内視鏡システム、富士フィルム『6000システム』を導入しています。6000システムには、ハイビジョン画像での観察はもちろん白色光レーザーと短波長レーザー、2種類の異なるレーザー光が搭載されているので、粘膜病変の周囲に集まりやすい表面血管をより効果的に観察することが可能となりました。さらに、BLI(Blue LESER Imaging)と呼ばれる独自の画像処理技術により、目的に合わせた適切な画像が得られるので精度が高く見逃しが少ない検査が可能です。また、画像処理の際に赤みのコントラストを強度表示することができるLCI(Linked Color Imaging)技術により、粘膜の炎症状態も正確に観察することができます。LCIは胃癌の原因であるピロリ菌の感染状態を判別することに有用です。BLIやLCIの技術を組み合わせることで、より正確な診断を行うことができます。
特長3. 鎮静剤を用いた苦しくない胃カメラ
患者様にリラックスして検査を受けていただくために、ご希望に応じて鎮静剤を用いて検査を行うことをしております。ウトウトと眠っている状態で検査を行うので、苦痛を感じることなく楽に検査が受けていただけます。検査を行った後は、リカバリースペースでゆっくりと鎮静剤が体から抜けるまでリラックスしてお過ごしいただけます。鎮静剤を使用された方は、検査後の運転はできません。
特長4. 土曜日も検査に対応しています
平日は仕事や育児で忙しいため、検査を受けることが難しい方のために、土曜日も内視鏡検査を受けられる体制を整えております。平日にお越しいただくことができない方も、安心して土曜日に検査が受けていただけます。また、急に胃が痛くなった、便が黒い、2~3日間吐き気が止まらない等の急な検査を要する場合は、胃カメラ検査の予約をしていない方でも即日に胃カメラを行う事もできます。お困りの際は当院までお電話にてご相談下さい。
特長5. 検査毎の徹底した洗浄で感染予防
内視鏡検査で使用した機器は、日本消化器内視鏡学会のガイドラインに沿って検査毎に洗浄・消毒をしっかりと行っています。患者様に安心して検査を受けていただくために、専用の洗浄機を導入して、検査のたびに完全洗浄・消毒を行い感染予防に努めております。また、検査室内も換気、消毒を徹底し、スタッフも感染防御具を着用し、院内感染防止に取り組んでいます。
胃カメラ検査を受ける
タイミング
下記の症状がある方は、もちろんですが、40歳を過ぎたら一度検査を受けてください。
胃がんのリスクが上昇しはじめるのは40歳を過ぎた頃です。症状がなくても、40歳を過ぎたら、1度胃カメラ検査を受けることをおすすめします。胃に症状がある方や、ご家族が胃がん、ピロリ菌感染を指摘された方がいるなどリスクが高い場合には40歳を待たずに検査を受けてください。胃カメラ検査を受けることで、胃癌発症の最大のリスクであるピロリ菌感染の有無が判断できます。胃カメラ検査では、粘膜を直接観察できるだけでなく、組織の採取も行うことができるため、別日の検査を行わすに確定診断ができます。また、観察できるのは胃だけでなく、喉、食道、十二指腸の観察も可能です。そのため、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、十二指腸潰瘍、十二指腸がんなどの早期発見や確定診断にもつながります。ピロリ菌は、胃がんの原因の8~9割、胃・十二指腸潰瘍の原因の約5割を占め、また胃部不快感の原因のひとつでもあるので、ピロリ菌感染陽性と診断されれば早期に除菌治療を受けることをお勧めします。
*ピロリ菌治療を受けられた方、逆流性食道炎といわれた方へ
胃カメラ検査を定期的に受けておくことで、早期がんが発見できる確率が飛躍的に高まります。胃がんや食道がんは発症率や死亡率が高いがんですが、早期の胃がん、食道がんは自覚症状がほとんどありません。かなり進行してから自覚症状が現れることがほとんどです。早期発見ができれば、内視鏡的な治療により外科手術を受けずに完治できる可能性もあります。食道がんや胃がんの早期発見に唯一有効な検査は胃カメラ検査です。
ピロリ菌の除菌が終了した後も、ピロリ菌に感染したことが無い方と比較すると胃がんの発症率は上回りますので、定期的に胃カメラによる検査を行うことをお勧めします。
また下記のような症状のある方には胃カメラ検査をお勧めしております。
こんな症状の方にお勧めです
- ピロリ菌治療歴のある方
- 胃の辺りに不快感がある
- 胸やけがする
- 喉や胸につかえ感がある
- 吐き気、嘔吐を催す
- 黒い便が出る
- 貧血を指摘されている
- 急に体重が減った
- 顔色が悪いと言われる
- 胃のバリウム検査で異常を指摘された
- 胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある
- 肝硬変と言われている
- 食道がんや胃がんを治療したことがある
胃カメラでわかる病気
- 胃の病気
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- 胃がん
- 胃腺腫
- 胃粘膜下腫瘍
- 悪性リンパ腫
- ピロリ菌感染
- 胃炎(表層性、萎縮性、鳥肌、びらん性)
- 胃潰瘍
- 胃ポリープ
- 胃静脈瘤
- 毛細血管拡張
- 胃アニサキス症
- 十二指腸の病気
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- 十二指腸がん
- 十二指腸炎
- 十二指腸潰瘍
- ポリープ
- 食道やのどの病気
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- 食道がん
- 咽喉頭がん
- 食道乳頭腫
- 逆流性食道炎
- 食道裂孔ヘルニア
- バレット食道
- 食道静脈瘤
- 食道カンジダ
胃カメラ検査の流れ
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ご予約
事前診察の受診が必要です。事前診察では、症状や、既往歴、服薬しているお薬などについて伺います。その上で胃カメラ検査の内容や食事制限などの注意点についてわかりやすくご説明し、検査手法などをご相談して決定し、検査日をご予約いただきます。検査前に必要になる感染症検査を含んだ血液検査を行います。お薬を内服されている方は必ず薬の名前がわかるものを全てお持ちください。お薬手帳をお持ちでない方は、実際に服用されている薬をお持ちいただいても構いません。特に抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)は、検査日より前に内服を中止していただく必要がある場合もあります。
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検査前日
- 夕食
胃に何か残っていると正確な検査ができないため、消化の良いものを軽くなるべく早い時間に済ませるようにしてください。脂肪分・食物繊維・刺激物・アルコールはお控えください。午後9時を過ぎたら食事は摂らないでください。 - 水分摂取
検査当日のご来院前まで、水や薄いお茶、スポーツドリンクなど透明なものでしたら飲んでいただいても大丈夫です。 - 服薬
ご予約の際に指示された内容を守って服薬・休薬してください。迷ったら飲まずにお電話でご連絡ください。改めてご説明しますので、遠慮なくご連絡ください。
- 夕食
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検査当日
当日の朝食は食べずにご来院ください。水分は、水や薄いお茶、スポーツドリンクなど透明なもので補給してください。
服薬はご予約の際に指示された内容を守って服薬・休薬してください。
午後の胃カメラ検査をされる方は、別に指示をさせていただきます。 -
ご来院
ご予約時間の少し前にご来院して、受付をお済ませください。
なお、鎮静剤使用の検査を受ける場合、ご帰宅時に運転ができません。公共交通機関、タクシーを利用されるか、ご家族などの送迎でご来院ください。
リラックスして検査が受けられるように、ゆったりとした服装でご来院ください。 -
検査
胃内の泡や粘液を除去する水を服用して、胃の中を観察しやすくします。次に、喉や鼻に局所麻酔を行ってから検査となります。鎮静剤を用いた検査の場合は局所麻酔後に検査台に横になっていただいてから静脈注射を行います。検査は5分程度で終了します。疑わしい部分があった場合には組織を採取して病理検査を行います。組織採取で痛みを生じることはありませんので、ご安心ください。
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検査後
鎮静剤を用いた方は、リクライニングチェアにて1時間程度お休みいただきます。検査後1時間程度してから水分摂取が可能になります。はじめは少量の水を口に含んで慎重に飲み込んで様子をみます。組織検査を行った方は、お食事は2時間以上経過してからにしてください。胃カメラ施行時に胃に空気を入れて膨らませるため、検査後はお腹が張ることもありますが、次第に楽になりますので、心配いりません。
検査結果は当日に検査画像をご覧いただきながら詳しくお伝えしています。ピロリ菌の検査が必要と判断した方は、当日検査結果をお伝えします。生検を行った方の病理組織検査の結果は、後日来院いただき説明させていただきます。なお、必要があれば薬の処方を行うこともあります。
ピロリ菌について
ピロリ菌は、口から侵入して胃に住み着くことができる細菌です。ピロリ菌感染が原因で胃・十二指腸潰瘍、胃がん、胃過形成ポリープ、萎縮性胃炎、鳥肌胃炎などが発症します。萎縮性胃炎や鳥肌胃炎は胃がんのリスクが高い状態です。また、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、鉄欠乏性貧血などの血液疾患の発症にも関わっています。
ピロリ菌は井戸水などに生息し、衛生環境の改善とともに感染者は減少していますが、日本の10~20代では10%前後と感染率は低いものの、50代以上の人では40%程度、さらに60歳以上では60%程度といわれています。ピロリ菌はヒトからヒトへ唾液を介して経口感染し、ほとんどの感染は幼少期に起こると考えられているため、子どもを持つ前に除菌に成功することで次世代(親から子、祖父母から孫)への感染予防にもつながります。慢性胃炎や潰瘍がある、ピロリ菌除菌をした方が家族内にいる方はピロリ菌に感染している可能性がありますので、早めに検査を受けるようにしてください。
慢性胃炎や胃十二指腸潰瘍と胃カメラ検査で診断された場合、ピロリ菌検査、ピロリ菌除菌治療が健康保険適用になります。
ピロリ菌の検査方法
ピロリ菌の除菌治療
ピロリ菌の除菌治療には、胃酸の分泌を抑制するお薬と2種類の抗生物質の3つのお薬が用いられます。この三種類のお薬を一週間服用することで、約8割の方は除菌に成功すると報告されています。除菌に成功したからといって、胃がんなどの病気のリスクは未感染の方より高いです。ピロリ菌に感染している期間が長いと、胃の粘膜が正常に戻るのに時間がかかるからです。除菌後も定期的に内視鏡検査を受け、胃の状態を確認しましょう。
ピロリ菌感染のない社会を作り、胃癌撲滅を目指します。
胃カメラ検査の費用
健康保険適応で1割 3割負担の検査費用の目安
1割負担 | 3割負担 | |
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胃内視鏡検査のみ | 約2,000円 | 約6,000円 |
胃内視鏡検査+病理検査 | 約3,500円 | 約10,000円 |
*初診料や血液検査代等は別途必要になります。